イタリア「ドーポラヴォーロ」はどう訳されていた?

ファシスト・イタリアで展開された更生運動「ドーポラヴォーロ」。直訳すると「労働の後」になるんですが、最近では「全国余暇事業団 L'Opera Nazionale Dopolavoro」とも訳されています。では、当時のわが神国日本ではどう訳されていたのか。 パンフレット…

最近の収穫(その2)

●軍歌!軍歌!軍歌!世界軍歌全集―歌詞で読むナショナリズムとイデオロギーの時代作者: 辻田真佐憲出版社/メーカー: 社会評論社発売日: 2011/12/08メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 5回この商品を含むブログ (18件) を見る出てすぐ買ったのだが、…

最近の収穫(1月〜2月)

●ルィセンコ関係書日本のルィセンコ論争 (みすずライブラリー)作者: 中村禎里出版社/メーカー: みすず書房発売日: 1997/03メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 26回この商品を含むブログ (7件) を見るなにはともあれ、この本を読むところから始めました。中…

トルコ大使の不審行動

土耳古代理大使(一等書記官)ハイドル・キヨルク氏の不審な行動が、外事特高によって「外事月報」に報告されていた。 同代理大使は情婦中川夏枝(書記)と共に二月二十日芝浦恩賜公園(高射砲陣地あり)及陸軍軍需本廠附近を徘徊せるを不審尋問せんと為した…

2012/02/05 拾遺

@hayakawa2600: @0086smart まさに文字通り「一度目は悲劇として、二度目は喜劇として」ですね。三度目が惨劇になりませんように。2012-02-05 23:39:04 via web to @0086smart @hayakawa2600: あともう一つ。(3)ミチューリンは元「黒百人組」メムバーだっ…

臨時大東亜ファッショ聯盟結成のお知らせ

臨時大東亜フアシヨ聯盟結成 伊太利フアシスト共和国の在本邦ファシスト党支部の設立再建の取扱ひに関しては新政府をして帝国と協議の上措置せしむべきことは十月五日大本営政府連絡会議に於て決定を見たるところなるが、同月二十六日プリンチピー二陸軍大佐…

抑留されたファシスト少女フランチェスカちゃん

伊国公館員並伊国人抑留者名簿(冒頭部分)『特高外事月報』昭和18年10月号 やはりフランチェスカちゃんは、父君のグイド・ベルトーニ駐在武官やご家族とともに、田園調布の聖フランシスコ会修道院に抑留されていました。 あらためて家族構成を見ると、 ギイ…

北原白秋「東條さん」に出てくるガソリンスタンドについて

朱描きでペガサス描いてある。 ガソリンスタンド、雪のあさ。 「お早う、内儀さん、お寒いね。」 お馬で声かけ、とつとつと みんなの宰相ほがらかだ。 twitterでフォローしていただいている@tokoyoさんがつぶやいた疑問 朱書きのペガサスはモービル石油のマ…

恐るべき特高外事課の調査活動――暴露されたちょいワル伊太利大使館員のプライベート!

国会図書館で『特高外事月報』を調べてきました。ファシスト少女フランチェスカちゃんの行方は次回にまわして、特高外事課の恐るべき調査活動の一端を紹介しましょう。 昭和18年5月といえば、まだイタリアではバドリオ政権が成立する前、いまだ枢軸国の一角…

宇宙統司大神帝陛下を特高が弾圧!

昭和16年4月、宇宙神によって素戔嗚尊の生まれ変わり・宇宙統司大神であることを告げられた若者がいた。 その大神陛下の記録が、『特高月報』昭和18年6月号に残されていた。実名などがわかるものは●で伏せた。 吹田市垂水町●●計理士弁理士源義興事●●●(二九…

青紙応召

青紙応召 前線への誉の赤紙応召と国内生産戦線への晴の白紙応召の他に青紙応召といふのが昭和十八年七月八日から新しく生れた。これは企業整備によつて浮かぶ労力に対してさきに公布された「従業者の雇入れおよび就職命令」に基づき地方長官が休廃止工場の従…

明けましておめでとうございます。

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。 近所に3階建てのゴミ屋敷があり、3階の窓までいっぱいにゴミが詰まっている様子が外からも伺えます。そのゴミ屋敷の玄関からはみ出たゴミに、ネットがかけられているのを、今朝発見し…

ファシスト少女フランチェスカちゃんのゆくえ

写真週報第151号 昭和16年1月15日。あやとりを教わるフランチェスカちゃん(右側) 以前書いたエントリー「ファシスト少女フランチェスカちゃん」で、「このフランチェスカちゃんのゆくえが気になる」と書いたが、父君のグイド・ベルトーニ伊太利大使館附陸…

「日独伊防共トリオ」東海林太郎

twitterで教えてもらったネタですが、いやあこの曲は知りませんでした。 動画中に、以前tumblrに放流したのと同じ紙くずの画像が出てくるのもご愛嬌。 長田幹彦:作詞、阿部武雄:作曲。昭和十三年。 搾取なき平等の仮面に隠れ 文明と共栄に叛逆す コミンテ…

軍歌ヱホン「父よあなたは強かつた」

ジャンク品としてタダ同然の値段で入手した『軍歌ヱホン 父よあなたは強かつた』(春江堂、昭和15年)をアップします。『世界軍歌全集』刊行奉祝翼賛企画でありますw 春江堂の「軍歌ヱホン」シリーズに収められているのですが、この曲は正確には戦時歌謡と…

『世界軍歌全集』ボクは買うぞ、わたしも買うわ!

常日頃からその博識に感嘆している西洋軍歌蒐集館の管理人さんが、『世界軍歌全集』なる驚愕の書物を執筆、来る12月8日に刊行予定だそうです。担当編集者さんの惹句には 『インターナショナル』から『ヒトラー万歳』まで43ヵ国にわたる60政権、300曲の愛国歌…

じわじわくる出征兵士慰問用編物

『婦人倶楽部』昭和15年10月号附録「実用毛糸編物全集」より 大きな画像はこちらにアップしました。 http://bit.ly/vOAotY これは暖かそうですが、今時にはないセンスですねぇ。右側の男性モデルのメイクが、なんとも田吾作風味なのですが、当時はこうゆうの…

土屋喬雄『国家総力戦論』は対馬忠行著か?

小山弘健の没後に編集された『戦前日本マルクス主義と軍事科学』(エスエル出版会、1985年)を読んでいたら、土屋喬雄『国家総力戦論』(ダイヤモンド社、国防科学叢書2、1943年)について「この書は対馬が執筆したものとつたえられている」と小山氏が書い…

内藤良一「都市給水の戦時防疫管理について」(『戦時医学』昭和19年11月号)を画像でアップしました。

その1 その2 その3 その4 その5 その6 おまけ。お約束の「ヒロポン」広告。 『戦時医学』昭和18年8月1日号

『戦時医学』に内藤良一が「都市給水の戦時防疫管理について」というおっかない論文を書いていた

内藤良一陸軍軍医中佐は、御存知の通り「七三一部隊」石井四郎中将の右腕と言われた男。戦後、「日本ブラッドバンク(後の「ミドリ十字」)」を設立し、いろんなことをやらかしたおっかない人ですね。この男が、『戦時医学』昭和19年11月号に「都市給水の戦…

引き揚げられた伊第三三号潜水艦の写真

吉村昭『総員起シ』に描かれている、悲劇の潜水艦伊第三三号。詳しくはWikipediaの当該記事を参照されたい。訓練中に沈没し、多数の犠牲者を出したこの呪われた潜水艦の最後の姿が、解体現場となった日立造船因島工場の関係者によって記録されていた。広島出…

門松で米兵をやっつけるの図

いささか季節はずれの話題で恐縮だが、『家の光』昭和20年1月号より。 「米兵をやっつける」と言っても、撃墜された飛行機から落下傘で降下してきた米兵なのであった……。シメは羽子板で「ポカリ」といういささかマンガなお話である。それにしても、門松は相…

「戦時調味料」が案外まともな件

『主婦之友』昭和19年9月号この「変りトマトソース」、小麦粉でトロミを出すことと、醤油ベースであることをのぞけば、今でも通用するものではないでしょうか。 ただし、本文中には、「緑ソース」「海苔ソース」など、やや得体のしれない系も紹介されていま…

空襲時必携!これは便利だ「東部軍管区情報略図」

『主婦之友』昭和20年4月号 警戒警報発令! つゞいて、敵機来襲! さあ戦闘開始だ。ラジオによつて時々報道される軍情報は、われわれの防空活動の指針であり、戦闘命令である。今後ますます熾烈になる空襲に備へて、われわれは軍情報に出てくる方向や地区名…

最近、マンガばかり読んでいる

お店ではマンガ単行本のシュリンク作業をバックヤードでやっているのだが、自らシュリンクするがゆえに、自分でも立ち読みができなくなってまった。そこで、カバーをみて「へぇ、面白そう」と思ったマンガをついつい買って帰ってしまうハメになっているので…

本屋さんでバイト始めました

11月なかばまでガボっとメインでやっている編集の仕事が途切れてしまうことになったので、某本屋さんでバイトをはじめました(一回やってみたかったのであります)。コミックと新書・文庫の棚の係に配属されたのですが、ライトノベルの銘柄の多さに驚愕の日…

樋口健二さんのブログができたそうです。

写真集『原発崩壊』刊行にあわせて、講演会情報などを盛り込んだ各種告知用ブログができたそうです。 http://ameblo.jp/higuchi-godo/合同出版の中の人も大変だな……。ともあれ、秋には出版記念講演会なども予定されているとのこと。いつもの講演会では、どう…

長崎浩に『共同体の救済と病理』なんて今さら言われたくない!

・朝日新聞8月21日書評 姜尚中が長崎浩著『共同体の救済と病理』(作品社)について書評を書いている。見出しに「革命への熱狂が生む逆ユートピアの悲惨」なんて文字が踊っていて、思わずそそられてしまうが、書評を読む限り中身はきわめて残念な本。「オウ…

樋口健二『原発崩壊』――この本だけはすごく売れてほしい

まだ刊行前なんですが、担当編集者の方からお話をうかがうかぎり、これは今まさに必要とされている写真集だと思います。 3・11以降、震災+原発震災の写真集は数冊出ていますが、残念ながら「福島第一原発がドカンする前」の写真というのは、ほぼまったく載…

これはひどい!『放射能の毒出し!「玄米・味噌・海藻」レシピ』

コメ欄で「どんどん」様に教えてもらった本。これはひどい!放射能の毒出し!「玄米・味噌・海藻」レシピ―こんなにあった!放射能の害を防ぐ身近な食品 (主婦の友生活シリーズ)作者: 主婦の友社出版社/メーカー: 主婦の友社発売日: 2011/08/04メディア: ムッ…