2018-01-01から1年間の記事一覧

ミラン・クンデラ「一国の人々を抹殺するための最後の段階」箴言についてのメモ

故・清水馨八郎はその著『大東亜戦争の正体』(祥伝社、2006年)で、ミラン・クンデラの『笑いと忘却の書』から次の一節を引用している。 「一国の人々を抹殺するための最後の段階は、その記憶を失わせることである。さらにその歴史を消し去った上で、まった…

「拙文はスルー」の哀しみ

『新潮45』のわずかな余命を断ち切ってしまった杉田水脈擁護特集、ここに執筆したメンバーの一人、藤岡信勝氏が、産経系WEBメディアのiRONNAに、「藤岡信勝手記「言論圧力に屈した新潮社よ、恥を知れ」」という涙なしでは読めない文章を寄せていた。 ironna.…

寄稿しました:抑えられない改憲衝動 右派系各誌が安倍待望

「しんぶん赤旗」(2018年9月16日)読書面に、右派系三誌がいっせいに特集した「安倍三選」待望記事について寄稿しました。

メモ:大日本帝国の標準時

中野文庫 - 標準時ニ関スル件 より 標準時ニ関スル件(明治28年勅令第167号) 第一条 帝国従来ノ標準時ハ自今之ヲ中央標準時ト称ス 第二条 東経百二十度ノ子午線ノ時ヲ以テ台湾及澎湖列島並ニ八重山及宮古列島ノ標準時ト定メ之ヲ西部標準時ト称ス 第三条 本令…

寄稿しました:流行する「GHQによる洗脳」論の危うさ

……「愛国心」「皇軍」「大東亜共栄圏」「八紘一宇」に抵抗を感じたらGHQの洗脳の影響下にあることになるらしい。けれども、このツイートにはそれぞれ数百人単位のリツイートと「いいね」がつけられ、この発言に疑問を呈した人には信者が「WGIPがわかっていな…

『世界』2018年10月号に寄稿しました

www.iwanami.co.jp 『世界』2018年10月号に、「「私たち日本人」はトキが自由に飛び回る日の夢を見るか」を寄稿しました。日本教科書の中学生むけ「道徳」教科書3学年分をネチネチ読んでのレポートです。 一読して何よりも驚くのは、「道徳」の教科書に安倍…

倉橋耕平さんの『歴史修正主義とサブカルチャー』書評をWEB世界に寄稿しました

websekai.iwanami.co.jp 「新しい歴史教科書をつくる会」が設立記者会見を行った1996年12月から22年が経とうとしている。2018年現在の大学生のほとんどは、生まれたときから「自虐史観」非難の中で育ったことになる。 この20年で歴史修正主義的言説が言論の…

トークイベントに出演します(2018年10月4日@東京)

【以下引用】 10/4(木) 19:00~平和の棚の会10周年企画 斎藤美奈子さん×早川タダノリさんトークイベント「積極的平和と出版メディア~平和のために出版はなにができるのか~」 今年結成から10年を迎えた『平和の棚の会』が選書の基準にしている「積極的平…

藤原正彦『日本人の誇り』の細かい日本スゴイ・テクニック

原稿を書くために藤原正彦『日本人の誇り』(PHP新書、2011年)を読んでいて、こんな一節に出くわした。 著者がお茶の水女子大学で教鞭をとっていた時、一年生対象の読書ゼミをうけもったという。そこで「日本はどういう国と思いますか」という質問したとこ…

メモ:三浦瑠麗氏の「大日本帝国が本当の意味で変調を来した二年間」のナゾ

■炎上した三浦氏のコメント 2017年8月12日、東京新聞で特集記事「気分はもう戦前? 今の日本の空気」が掲載された。この記事は「今の社会に、戦前のかおりがしないか」という問いかけで構成されたもので、ここに国際政治学者・三浦瑠麗氏が登場していた。「…