最近の収穫(その2)
●軍歌!軍歌!軍歌!
- 作者: 辻田真佐憲
- 出版社/メーカー: 社会評論社
- 発売日: 2011/12/08
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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出てすぐ買ったのだが、読了するのに1月半かかるほど、異常に情報量が多い本! 19世紀ヨーロッパでのナショナリズムの勃興と軍歌の関係など、世界史の教科書ではなかなかイメージがわかないところを、血みどろ軍歌wを例に挙げつつわかりやすく紹介。ファラブンド・マルティ(エルサルバドルFMLN)の歌を生きているうちに日本語で読めるなんて思いませんでした。まさに「世界軍歌全集」の名にふさわしい充実ぶり。
著者による軍歌訳が面白いということは、すでにいろいろ紹介されていますが、個人的にお気に入りは「僕たちはジークフリート線に洗濯物を干しに行く」。♪母さん、お元気ですか。僕は今……とはなんたる名訳!
●ナチスの美意識
- 作者: 田野大輔
- 出版社/メーカー: 名古屋大学出版会
- 発売日: 2007/06/01
- メディア: 単行本
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2007年に出た本ですが、今日まで知らなかったことが悔やまれます。「政治の美学化」をキーワードに、「第三帝国という芸術作品」に貫かれている美学というか美意識というか、民族共同体における至高なるもののへの崇拝と憧憬のありさまを、大衆消費社会におけるあらわれとして分析した本。ナチスにおける「労働者」的なるものとは何かとか、ナチスとキッチュとか、興奮して読みました。図版も多数、しかもオリジナルからのスキャン、さらにそれがキレイ!という方面からも楽しめます。
ナチス時代のFKK写真集。要するにヌーディズムです。拙サイトをしげしげと訪れてくださる戦時乾布摩擦マニアの方々の中にはたぶんこれに萌える人もいると思いますが、公式には「残念ながら全然エロくないです」と申し上げておきます。
Leibeskult und Liebeskitsch. Erotik im Dritten Reich
- 作者: Udo Pini
- 出版社/メーカー: Keysersche Verlagsbuchdlg
- 発売日: 1996/02
- メディア: ハードカバー
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「Leibeskult und Liebeskitsch」タイトルが秀逸で、この本の性格を見事に言い表しています。ナチス・ドイツ時代に流布されていたさまざまなイメージからエロティックかつキッチュな部分をよりすぐった研究書、というか図版の本ですね。これはかなり楽しめます。辞書を引き引き読んでます〜。