2012-01-01から1年間の記事一覧
『昭和15年度 夏季学習帳』神奈川県教育会発行 敵陣に忍び込んだ日本兵が、密かに「支那の国旗」のかわりに「日の丸」を旗竿に掲げる。すると、それを見た他の兵隊が「日の丸だ! 日の丸だ! 進め進め」と勇気百倍して敵陣に突撃、敵兵は一目散に逃げ出した―…
陸軍省作成のパンフレット『防諜』に、当時の日本人が表象した「スパイ」像がわかりやすく描いてあった。このパンフレットは、右頁にイラスト+左頁に諜報の図解という構成となっていて、講師などが図解を見せながら説明していくことが前提で作られている。…
ブラジル勝ち組機関誌『輝号』(復刻版、不二出版、2012年)を読んでいて、妙なことに気がついた。 同誌、昭和26〔1951〕年7月号から昭和28〔1953〕年2月号(=終刊号)まで、奥付横のページに、サンパウロにあった「遠藤兄弟商会」というレコード屋が、毎月…
『朝日新聞』1969年7月21日付けこの年、7月14日付けの官報で、辻政信の死亡が宣言された。法的な死亡日は、行方不明になって7年後の1968年7月20日となった。 この記事にある奥さんのコメントが、なかなかに趣き深い。 この8年間の苦労を考えると、とにかく…
日本放送出版協会『放送』昭和18年10月号表3広告 戦時下の競馬史については明るくないのですが、これまで何度か引用した萩野寛雄 「「日本型収益事業」の形成過程 :日本競馬事業史を通じて」第5章「競馬事業に見る戦時体制」 によれば、昭和18年12月の閣議…
しばらくブログの方はお休みしていましたが、ようやく再開です。現在進めている単行本企画にまつわる資料など、数年ぶりに集中して読書する機会があり、これはヨカッタという本をいくつかご紹介します。 ナチスのキッチン作者: 藤原辰史出版社/メーカー: 水…
『婦人倶楽部』昭和17年2月号いわゆる戦時下の出版弾圧史的観点からすれば、この有名な決議にいたるまでにいろいろと大人の事情があったことは承知していますが、いくら「奴隷の言葉」で書かれたものとはいえ、嬉々として音頭を取った野郎が多数いたことも事…
もはや死語となったが、かつて「同情するなら金をくれ」という流行語があった。これは簡単に言って「カネを出さないおまえに同情なんかされたくねえよ」という非常に甘えきった、拗ねた物言いなんだが、この語と前後してはやった「反対するなら代案を出せ」…
『原子力産業新聞』1958年9月25日付 このスライドは、流れるような音楽にのせて、あなたがたを、原子世界の旅にさそい、四〇分の旅を終えれば、だれでも原子の構造や原子力利用について、基礎的知識をつかむでしょう。 職場の教育に、学校の教材に、ぜひ御活…
今も昔も妖しい通信教育商売はたくさんありますが、クーリングオフとかでまがりなりにも消費者が保護されている今と違って、昔は完全に「自己責任」。こんなものをどうやって通信教育で取得するのか謎なものも含めて、機会を見て紹介していきます。 今回は『…
墨水書房、昭和18年 古本屋で異常に遭遇回数の多いエッセイ集『随筆たぬき汁』を出していた墨水書房が、北原白秋の作品集を出していた。写真にあるように、『白秋I』とあるが、続刊は出なかったようだ。この作品集は、昭和8年から「北秋全集」構想の一環と…
「虚構」で検索して「虚構の皇国blog」に来てくださった人から怒りの問い合わせDMをもらったので、野暮いけれども見解を表明します。某大手デジタル紙と違って、「虚構の皇国blog」は愛と真実でできています。《真理が我らを自由にする》《労働が我らを自…
2001年から2008年まで、原子力委員会は「市民参加懇談会」という公開ヒアリングを合計34回にわたって行った。 目的は、「「原子力政策の決定過程における市民参加の拡大を通じて、国民の理解をより一層促進するため」に、「原子力政策における市民参加の促進…
『婦人倶楽部』昭和15年11月号附録「和服洋服の繕ひ方長持ち法」表3広告 ぜいたくは恥! 何も彼も買はぬが国策 銃後の務め 古い衣服をみやこ染で 染替へて役立てませう 広告主の桂屋商店は、現在の桂屋ファイングッズ株式会社。今も東京日本橋小舟町にある…
軽井沢で過ごす鶴見祐輔一家。一番左が俊輔氏、そのとなりが姉の鶴見和子氏。『婦人画報』昭和9年9月号より。 同じ号には軽井沢で過ごす尾崎行雄一家も載っていた。尾崎翁の愛娘、品江さんと雲香さん。サイドカーを駆るとは、あまりにもカッコよすぎる。
ここ数カ月で、原発推進派の側からカウンター的にいろんな本が出てきた。とりあえず今のところ目についたものを挙げてみると――国を滅ぼす反原発ヒステリー―世界から見た日本の錯誤 (エネルギーフォーラム新書)作者: 一本松幹雄出版社/メーカー: エネルギーフ…
『週報』ネタが続いて恐縮だが、昭和13年6月22日(第88号)の「官庁刊行物だより」から 1冊目、『貯蓄は主婦の手で』(国民貯蓄奨励局、国民精神総動員中央連盟)のコピーがすごい。 銃後の国民は女も子供も一人残らず武器を持たぬ兵士である。そして夫人の…
『週報』昭和13年7月13日(第91号)に、「支那事変鹵獲品調査票(6月30日調)」が載っていた。この中に、「青竜刀」1万1950本が記載されている。以前から『支那事変手柄話』などの絵本に出てくる国民党軍が、かならず青竜刀をふりあげているのを見て、…
俗に月月火火水木金と呼ばれる海軍の猛訓練、猛教育を指したもので、平常から実戦の心構へで事に当るやう努力する教育。名提督山本五十六元帥も霞ヶ浦航空隊の副官時代から海鷲達にこの硬教育を施し、平時に於ても相当の死傷者を出した程だが、この教育法の…
永田町にある、真理が我等を自由にしてくれる殿堂に行ったら、こんなパンフがデジタル化されていた。『イタリアの女性とファシズモ』イタリア大使館情報官室、昭和16年2月。ファシスタ党婦人部とか、各種女性団体を平易に解説してくれているので便利。なかで…
ファシスト・イタリアで展開された更生運動「ドーポラヴォーロ」。直訳すると「労働の後」になるんですが、最近では「全国余暇事業団 L'Opera Nazionale Dopolavoro」とも訳されています。では、当時のわが神国日本ではどう訳されていたのか。 パンフレット…
●軍歌!軍歌!軍歌!世界軍歌全集―歌詞で読むナショナリズムとイデオロギーの時代作者: 辻田真佐憲出版社/メーカー: 社会評論社発売日: 2011/12/08メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 5回この商品を含むブログ (18件) を見る出てすぐ買ったのだが、…
●ルィセンコ関係書日本のルィセンコ論争 (みすずライブラリー)作者: 中村禎里出版社/メーカー: みすず書房発売日: 1997/03メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 26回この商品を含むブログ (7件) を見るなにはともあれ、この本を読むところから始めました。中…
土耳古代理大使(一等書記官)ハイドル・キヨルク氏の不審な行動が、外事特高によって「外事月報」に報告されていた。 同代理大使は情婦中川夏枝(書記)と共に二月二十日芝浦恩賜公園(高射砲陣地あり)及陸軍軍需本廠附近を徘徊せるを不審尋問せんと為した…
@hayakawa2600: @0086smart まさに文字通り「一度目は悲劇として、二度目は喜劇として」ですね。三度目が惨劇になりませんように。2012-02-05 23:39:04 via web to @0086smart @hayakawa2600: あともう一つ。(3)ミチューリンは元「黒百人組」メムバーだっ…
臨時大東亜フアシヨ聯盟結成 伊太利フアシスト共和国の在本邦ファシスト党支部の設立再建の取扱ひに関しては新政府をして帝国と協議の上措置せしむべきことは十月五日大本営政府連絡会議に於て決定を見たるところなるが、同月二十六日プリンチピー二陸軍大佐…
伊国公館員並伊国人抑留者名簿(冒頭部分)『特高外事月報』昭和18年10月号 やはりフランチェスカちゃんは、父君のグイド・ベルトーニ駐在武官やご家族とともに、田園調布の聖フランシスコ会修道院に抑留されていました。 あらためて家族構成を見ると、 ギイ…
朱描きでペガサス描いてある。 ガソリンスタンド、雪のあさ。 「お早う、内儀さん、お寒いね。」 お馬で声かけ、とつとつと みんなの宰相ほがらかだ。 twitterでフォローしていただいている@tokoyoさんがつぶやいた疑問 朱書きのペガサスはモービル石油のマ…
国会図書館で『特高外事月報』を調べてきました。ファシスト少女フランチェスカちゃんの行方は次回にまわして、特高外事課の恐るべき調査活動の一端を紹介しましょう。 昭和18年5月といえば、まだイタリアではバドリオ政権が成立する前、いまだ枢軸国の一角…
昭和16年4月、宇宙神によって素戔嗚尊の生まれ変わり・宇宙統司大神であることを告げられた若者がいた。 その大神陛下の記録が、『特高月報』昭和18年6月号に残されていた。実名などがわかるものは●で伏せた。 吹田市垂水町●●計理士弁理士源義興事●●●(二九…