イタリア「ドーポラヴォーロ」はどう訳されていた?

 ファシスト・イタリアで展開された更生運動「ドーポラヴォーロ」。直訳すると「労働の後」になるんですが、最近では「全国余暇事業団 L'Opera Nazionale Dopolavoro」とも訳されています。では、当時のわが神国日本ではどう訳されていたのか。



 パンフレット『ファッショ国家』(イタリヤ大使館情報官室発行、昭和15年)の著者、フランチェスコ・グロッシ氏の肩書きは、

イタリヤ『労働の後』国民事業幹事長

になってました。まんま直訳でしたね。これはイタリヤ大使館が出している本ですから、文字通り公認の邦語訳なのでしょう。


 このパンフレット、薄いながらもスグレモノで、「真の民主主義とは何か」とか「ファシズム三重点」とか「ムッソリーニの理想」とかというポイントを、B6版1頁ずつで解説してくれるという、ありがたい「ファシズム入門書」になっております。著者の役職が役職なので、「労資一体会」(コルポラツィオーニ)とか「組合大臣」(ミニストロ・デルレ・コルポラツィオーニ)など、イタリア・ファシズモ特有の機関についても教えてくれてます。