最近の収穫(1月〜2月)

●ルィセンコ関係書

日本のルィセンコ論争 (みすずライブラリー)

日本のルィセンコ論争 (みすずライブラリー)

なにはともあれ、この本を読むところから始めました。中村さんの立ち位置にはかなり好感がもてます。単純に撫で切ってないです。


ルィセンコ主義はなぜ出現したか―生物学の弁証法化の成果と挫折 (学術叢書)

ルィセンコ主義はなぜ出現したか―生物学の弁証法化の成果と挫折 (学術叢書)

いま読み始めたところ。著者は在野の研究者。しかし、海外の文献も引きつつ、ここまでまとめられる手腕には脱帽。ほぼ最新の研究成果。


偽史

捏造される歴史

捏造される歴史

アトランティス、新大陸発見、黒いアテナ論争などなど、欧米でのオーソドックスな偽史系統を紹介。ネーション・オブ・イスラムの教義の根っこにある偽史とか、教えられること多数。デニケンの詐話師ぶりも出てきます。山形浩生さんの解説。やや本文の組版に難有り。誤植もちらほら。


●ギボン

ローマ帝国衰亡史〈1〉五賢帝時代とローマ帝国衰亡の兆し (ちくま学芸文庫)

ローマ帝国衰亡史〈1〉五賢帝時代とローマ帝国衰亡の兆し (ちくま学芸文庫)

僕が読んでいるのは岩波文庫版。ローマ帝国のことがわかるというのもあるのですが、ギボンが生きた18世紀の紳士にとって歴史知とはどんなものであったのかがわかるのが興味深いです。


●高木俊朗もの

狂信―ブラジル日本移民の騒乱 (原点叢書)

狂信―ブラジル日本移民の騒乱 (原点叢書)

ブラジル「勝ち組」事件について、現地で手に入った資料を元に再構成。当時のビラ・チラシや当事者からの聞き取りなど、初学者にも非常によくわかる本。サスペンス風味もあるよ。それにしても、「勝ち組」の歴史の偽造の方法はすごかった。しかもほとんど詐欺ばっかり。当時のことを知る親類縁者が、みな一様に黙り込んでいたわけがわかったよ。


抗命―インパール 2 (文春文庫)

抗命―インパール 2 (文春文庫)

恥ずかしながら、まだ読んでませんでした。佐藤幸徳が本当に日本刀持って牟田口廉也にせまったのかどうかというマナコからの色読。


新約聖書もの

書物としての新約聖書

書物としての新約聖書

毎晩寝る前に読んでいる至福の本。著者の歯切れもよいし、読みやすいし、毎晩新発見。