ブラジルにお墓参り

祖父・祖母のお墓参りに、しばし里帰りいたします。
ああ、夏物の服を出しておかなければ。

年末ギリギリになって、植村和秀著『「日本」への問いをめぐる闘争』柏書房を通読。箕田胸喜 Vs 西田幾多郎とは、なかなか面白いかもと思って購入するも、やや残念賞。買ってから『丸山眞男平泉澄――昭和期日本の政治主義』(柏書房)を書いた人だと気づいても手遅れでした。この人はこの手の異種格闘技ものが好きなようですが、それぞれに突っ込んでいないので、教養以上のモノは望めずがっかりするのであります。つまみ食い的に『世界史的立場と日本』など京都学派系〈聖戦の形而上学〉を紹介し、返す刀で日本原理社の通り一遍な説明を、次のコーナーでは田辺元『歴史的現実』を……と、叙述形式がまるでアミダくじのようで、読者としてはいまいち深まりません。もちろん、灯影舎のつまみ食いシリーズよりもまだマシなのですが。
そもそも彼も編集委員として参加したところの蓑田全集が、なんだあ写真版で復刻かよおとがっかりするほどの手抜きでありました。
植村先生、もっとがんばれ!



「日本」への問いをめぐる闘争―京都学派と原理日本社 (パルマケイア叢書)

「日本」への問いをめぐる闘争―京都学派と原理日本社 (パルマケイア叢書)