「自然と日の丸・君が代に愛着がわく」説がウソくさい件について

 昨日の朝日新聞に、大阪の小さい知事と野中広務が出ていた。お題は件の「君が代斉唱時に起立しない教員はクビ」条例について。小さい知事は田舎の中学校の生徒会長のように「ルールを守れ」としか言ってなくて、つまらんかった。野中広務の方は、“「起立せなんだら処罰する」なんてやり方は権力者のおごり。教職員を処分してまで従わせようというのは、国旗・国歌法の制定に尽力した者として残念です”とのこと。強制しなくても自然に敬愛するようになるからいいんだ、とおっしゃる。なんで? どうやって?
 
 ……ナンセンスですなあ。



少女倶楽部〓年新年号特別付録(刊行年不明)


 戦前といえども、「日の丸・君が代」については上からの猛烈なキャンペーンをやらないと、極東の島国に住むわが臣民に根付かなかった。くわしくは拙著『神国日本のトンデモ決戦生活』(合同出版) にいくつか例を引いたので参照されたい。近代国民国家にまとわりつく人工物神は、木から生えてくるような代物ではないのだ。



 「愛国心」とよばれる国家フェチシズムもまた同断。「愛国心の涵養」のためには、国家というものはなりふりかまわずむちゃくちゃなことをやるものなのである。