キモチワルイ髪型が当選

(承前)……んで、コンテスト入賞作品がこいつらなわけであります。
まずはお嬢様部門から。

『主婦之友』昭和18年1月号

1等は、いわゆるツインテールの三つ編み(?)を、うなじのあたりでいったんお団子にして、今度は頭頂部へ持って行って前髪と合わせて固定ってかんじでしょうか。なんというか、両肩にかたつむりが乗っているようであります。
2等は、……どういうしくみなっているのかよくわかりません。後ろの風情は、往年のジェームス・ブラウンの髪型を彷彿とさせるような、なんかズラが乗っているっぽい有様であります。

他方、若奥様部門は――

同上

1等も2等も、よくわからない結い方であります。
いずれにしても、髪型といっても、カットの方向ではなく「結い方」の考案がもとめられていたわけですね。で、崩れにくさとか帽子のかぶりやすさとが基準となったようでありますが、選者の評にも生産現場での利便性が選考基準としても登場していないことからすると、やはり婦女子に銃後の気合いを入れるための、しかしまだまだ装飾的な雰囲気を残したコンテストであったようです。それにしても、どこがどのように「米英模倣」から凛然と訣別した、「大東亜戦争にふさわしい日本女性の髪型」なのか、さっぱりわかりません。