国民学校初等科「図画 四」女子用

ある親切な紳士から国民学校初等科の図画の教科書をまとめて戴いたので、その中からほほうと思ったものを。


これは「初等科図画 四」女子用。教科書が男子用と女子用に分かれていた。

「配色」のテーマで、いきなり迷彩……。文字の配色のところもスゴイ。この単元のねらいは、なんとなくわかっちゃうけれど、教師用指導書では何と書かれていたかが気になる。授業の現場ではどう教えられていたのか。迷彩の実習はあったのかなかったのか。あったとするならば塗り絵方式だったのか。軍艦の迷彩は帝国海軍の制式だったのかどうか……疑問は尽きない。んで、初等科図画用の教師用指導書が国会図書館にあるようなので、今度行ったときに調査してみる予定。オンラインでは複写が依頼できないみたい。つーか、この辺のモノはデジタル化して公開してもいいんぢゃないか。



上記と同じ「初等科図画 四」女子用から。

これは「人物」。か、かわいい……。

どうでもいいことだが、教科書体の活字はこの頃すでにあったんですね。>>教科書体 このサイトに、

昭和8年に小学校の教科書が大改訂され、小学校1年生の国語教科書 は「サイタ サイタ サクラガ サイタ」という色刷りの教科書が生まれました。小学校3年生用は昭和12年に発行され、低学年の国定教科書でははじめて活字を採用しました。活字にするにあたって、文字の形をどのようにするかを検討しました。筆の文字と当時の字典につかわれていた字典体(明朝体活字)と、どのように合わせるかが問題でした。結局、筆文字を字典につかわれていた書体(字典体)になるべく合わせるようにしました。したがってこのときから文字の形が変わったものもあります。サンプル4に示した「木、青、間」などがそうです。

という記事がありました。この昭和8年の「大改訂」で活字が採用されて「教科書体」が生まれたとありますが、ではそれ以前の教科書のハンコはどうやって作っていたのか。まさか木版ではないでしょう。この記事を執筆した板倉雅宣氏が、『教科書体変遷史』という恐ろしくマニアックな本を出しているみたいなので、これも早速図書館で調査、調査!


教科書体変遷史

教科書体変遷史