軍国少年はこうして作られた

宿題プリント、習字、国語のテスト、作文集……これに「夏休みの友」と運動会のプログラムなんかが入っていれば最強。
通信簿なんかもほしいですね。当時だって「愛国心」の項目はなかったはず。


軍国少年はこうして作られた

軍国少年はこうして作られた

■内容(目次より)
1 小学校が国民学校
2 1年生の宿題プリント
3 習字――何を書いたか
4 図画――何を画いたか
5 音楽――何を歌ったか
6 「皇紀二千六百年奉祝」の文集 
    ――起てよ健児!!――
7 考査――何を問われ、どう答えたか
8 作文「麦取りの奉仕」
9 鹿児島独特の「健児団」教育
10 受験準備教育
    ――君はどうやって忠義を尽くすか――
11 「神ノ国」日本           
12 標準語教育
13 明治憲法と明治民法  


南日本新聞の紹介記事によれば――

軍国少年”の記録出版 鹿児島市の帖佐さん
「教育統制」に危機感
(2008 05/03 07:25)
軍国少年はこうして作られた」を出版した帖佐勉さん
 鹿児島市下福元町の元中学教師帖佐勉さん(75)が鹿児島の戦時教育の記録「軍国少年はこうして作られた」を出版した。太平洋戦争末期の1939−45年に過ごした小学校時代の習字やテスト問題を通し、子どもを軍国主義に染めていった当時の初等教育を紹介。「教育の怖さと大切さを伝えたい」と話している。
 帖佐さんは戦時下の教育の実態を伝える活動を30年続けている。教育基本法改正などで教育の国家統制が強まっていると危機感を覚え、出版を企画したという。習字などの作品類は、亡くなった母親が教科書などと一緒に保管していた。
 和田尋常高等小学校・国民学校(現鹿児島市立和田小)のときの作品やテスト50点余りを収録。兵隊の絵を見て「ススメ ススメ ヘイタイ ススメ」と書かされた1年生のときの宿題、「日本ばんざい」とつづった習字、軍用機の出発前準備を尋ねる5年時の国語のテストのほか、当時の校長が冒頭で「滅私奉公 尽忠報国の時は迎えたのである」と書いた文集も収められている。
 帖佐さんは「特に現場の教師に読んでほしい。上から与えられた内容をよく考えず子どもにたたき込む時代を繰り返してはならない」と訴える。A5判、160ページ。1575円。南方新社=099(248)5455。