不気味せうがく三年生

『せうがく三年生』昭和12年12月号 小学館


最近、小学館クリエイティブが精力的に戦前漫画の覆刻をやっている。漫画方面まで手をのばして、「コロスケかわいい〜、でもどうして顔がいつもこっちを向いているんだ?」などとやっているとお金がいくらあっても足りません。で、そこでご提案なのだが、当時の学習雑誌(学年誌)の覆刻をやってはいかがでしょう。子ども向け総合誌としても学習・娯楽両面ともに充実していて、かなり貴重な資料になると思うのだが。
かつて講談社が昭和8年・9年ごろ(だったと思う)『少年倶楽部』を完全覆刻したが、ノスタルジー中心のチョイスなので、今ひとつエグみに欠けた。「子供がよくなる講談社の絵本」もなにかの記念で十数冊が覆刻されたが、「戦争手柄絵話」系はすべて無視であった。いずれの雑誌も日中戦争開始から終戦までのものは熱心なコレクターさんがいるので大変に高値で取引されており、知る人ぞ知る状態のままだ。もちろん都立中央多摩とか、国際こども図書館とかにいけば見ることができるのだけれど、地方の人はかなり大変だ……
話を戻せば、当時の小学館学年誌は、凝縮された児童向けプロパガンダとしてアカデミックな研究に値する内容だと思う。覆刻は無理としても、だれかこのネタで本を書きませんか?

コロスケって、ロボットじゃなくてこっちの方です