食糧増産に励む商工大臣岸信介閣下


『家の光』昭和18年9月号

昭和18年の頃によく雑誌に載っていた「大臣も率先垂範」系記事の一枚。要するに首相を筆頭に内閣総動員で生産現場に立っています――という仕込み系プロパガンダですね。「食糧増産!」のかけ声を帝国臣民にゆきわたらせるためにも、エライ人たちも汗をかいていますというキャンペーンが必要だったというワケです。
岸信介が作り笑いをうかべて畑仕事をしている図、ですが、これがどのくらい共感を呼び起こしたのか……。掲載誌が『家の光』ですから、読者の多くは農民諸君なわけで、白シャツで野良仕事をするようなバカ野郎だと思った人も少なくなかったはずです。