日の丸の帝国

オオ日ノ丸ノ旗
日ノ丸ノ旗ヲ タカクカカゲテ
ソレヲアフグトキニハ
日ノ出ヲアフグヤウニ
心ガヲドリマス。
ナントリッパナ ヤサシクテ
ソシテイサマシイ旗デセウ。
コノ旗ガ ワガ日本ノシルシ
ワガ日本ノ国旗デス。

『日本よい国』昭和13年 大日本雄弁会講談社より


「日本よい国」といえば、第五期国定修身教科書『ヨイコドモ』下に収められている

「日本ヨイ国 キヨイ国 世界ニ一ツノ 神ノ国
日本ヨイ国 強イ国 世界ニカガヤク エライ国」


森喜朗元首相の「日本は神の国」発言で再び脚光を浴びたが、昭和11年にNHK国民歌謡「日本よい国」(今中楓渓作詞 服部良一作曲)の放送が開始されており、当時から人口に膾炙したフレーズであったようだ。
“コドモガヨクナル講談社ノ絵本”シリーズに収められた本書は、「護国ノ花」「わしらは日本人だ」「日本人ココニアリ」など、建国神話から海外で活躍する日本人(アメリカ人を投げ飛ばす柔道青年の武勇伝!)まで、「日本よい国」ぶりをしつこく繰り返す。
上掲の「輝く日の丸」は圧巻で、絵柄だけ見ていると67年前の尋常小学校なのか、最近の小学校なのかよくわからなくなってくるところが怖い。「日本中の学校に国旗を揚げ、国歌を斉唱させることが私の仕事でございます」などと園遊会で口走った東京都教育委員・米長邦雄などは、この絵柄が脳みそに刷り込まれているのであろう。