今だから読みたい原子力関係の2冊

財団法人日本原子力文化振興財団という香ばしい団体がある。
当団体のWEBサイトによると

日本原子力文化振興財団は、原子力の平和利用に関する知識の普及啓発を行い、その必要性についての認識を高め、原子力が明るい文化社会の形成に寄与することを目的として、昭和44年(1969年)7月に設立されました。
 地球環境への負荷の小さいエネルギーである原子力に、国民の積極的な支持と協力を得るためには、きわめて幅広く、かつ多岐にわたる活動が求められます。当財団は、発足以来、設立の趣旨にのっとり、多種多様な事業を展開し、原子力への理解を深め、不安や疑問を払拭していただくための努力を続けてまいりました。

――なのだそうで、「原子力文化」なる特異な概念を駆使しつつ、いろいろと不思議な活動を続けている。こんな財団法人はいつ無くなってもおかしくないので、今のうちに入手しておくべき同団体の出版物を2冊紹介します。


原子力ABCブック

発行 財団法人日本原子力文化振興財団 B5判 24頁 ¥220−(税込み)

D〜dream(夢)〜
原子力で電気をつくろう」 この大きな夢にたくさんの人がとりくんだ。
E〜everyday(まいにち)〜
人びとの汗と努力で、原子力は まいにちのくらしをささえるまでに成長した。
F〜for(・・・・・・のために)〜
あしたのくらしのために、エネルギーがもっともっともとめられている。
G〜gift(おくりもの)〜
地球からのおくりもの ウランをムダなく使う工夫がすすんでいる。
H〜hot(あつい)〜
地球のことを考えて、原子力にあつい視線がむけられている。

この表紙のうさぎのキャラクターはどこかで見たことあるぞ……と思ったら、かつて「英霊にこたえる会」にリンクされていた電波サイトの人じゃないのか??


原子力文化ブックレット2〜エッ!こんなところに放射線

発行 財団法人日本原子力文化振興財団 A5判 173頁 ¥850−(税込み)

放射線がたくさんあるとこわいのですが、身の回りにあるような弱い放射線はこわがる必要はありません。科学技術が進んでくると、このような放射線をいろいろ利用することもできるようになりました。この本はそのような放射線と私たちのかかわりあいをテーマにしています。内容は一頁ごとに短くまとめられていますのでどこからでも読むことができます。ちょっと物知りになってみませんか。

ぜひ物知りになってみたい! 要するにいろんなところで放射線量を計測したのを読み物にしたもので、計測マニアにはたまらない一冊。
とくに興味深いものをいくつか挙げてみると

6.SLから出る放射線
8.住宅総合展示場と放射線
10.初詣でと放射線
11.かるがも一家と放射線
30.親知らずと放射能

これは絶版になる前に手に入れるべきかも。「親知らずと放射能」なんてウンチクは、よそでは読めないのではないでしょうか。