「公務員の本質は奉仕」だってぇ? 笑止千万

「とおりすがり」さんから、以前書いた上田・埼玉県知事の「公僕」論を批判した記事にこんなコメントがついた。いまだに「公僕」だと思っている人がここにもいた!

公務員の本質は奉仕です。国民から預かっている税金の中から生活費を割り当てられているだけで賃金労働者とは根本的に別物ですよ?
利益のない公務から給与が出るわけないでしょう。
給与額面ぶんの力が公務員個人に有ると思うならストや労組をやるために一般企業へ転職なり起業なりすれば良いだけではないでしょうか。

この人の論には誤謬が重畳しているが、典型的な「公僕」論なので、逐一的に批判するのはたやすい。しかも、賃金について根本的に無理解なため、あたかも19世紀のウェストン君を髣髴とさせるほどであります。が、しかし、面白いのでもっと展開してもらいましょう。

議論の出発点として聞きたいのは、「公務員の本質は奉仕」というテーゼについてです。コメントでは、直観された本質(もしくは把握された本質)から出発しているので、存在論主義ここにきわまれり。すでにこの時点で非説得的な・ひとりよがりの議論に堕すとともに、論証を経ていないから内容上も狂っている。だからそれ以降の展開がボロボロになってしまうのですね。
丁寧に考えてみましょう。この人は、公務労働者のどのような現実から出発して、いかなる角度から分析を深め、「公務員の本質は奉仕」という本質を把握したのでしょうか? いろいろと推測は可能ではありますが、テーゼ対テーゼの空中戦を回避するためにも、ぜひご本人にその認識過程を語ってもらわないと議論が成り立ちません。ぜひ、この本質把握の過程を追記してもらえませんか?