有村治子の「靖国」出演者潰しは許せん

稲田らは助成金問題に絞り上げることで、「言論弾圧じゃねえか!」という批判をかわそうと努めてきたようだが、今回の有村の愚劣な行動が暴露されるに及んで、化けの皮がはがされたと言えよう。とにかく映画「靖国」を潰す――その意志がむき出しとなった。

李纓監督、こんなもんは撮った者勝ちですよ!

http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/15320
自民議員が出演者聴取 “靖国”監督が反発
2008年4月10日 00:59

 映画「靖国 YASUKUNI」の中心的出演者で刀匠の刈谷直治さん(90)夫妻=高知県在住=から有村治子参院議員(自民、比例)が事情を聴き「刈谷さんらは出演シーンの削除を希望している」と主張していることが分かった。李纓監督(44)は9日、共同通信のインタビューで「出演を納得してくれていた夫妻を変心させた。許せない介入だ」と訴えた。
 映画は「靖国刀」を作り続ける刈谷さんの姿と靖国神社をめぐる動きを描いたドキュメンタリーで、上映中止が相次いだ。シーンの削除になれば作品の成立自体を左右しそうだ。
 有村議員は9日夜「(監督の主張を)刈谷さんに電話で確かめたが、わたしの話で気持ちが変わったことはないということだった。監督の話は事実無根だ」と反論した。
 有村議員によると、「刈谷さんが困惑している」との情報があったため、3月25日、刈谷さん夫妻と電話で話し、削除希望を聞いたという。
 これに対し李監督は「(削除希望は)信じられない。どうして政治家がそこまで介入するのか」と反発している。


http://qnet.nishinippon.co.jp/entertainment/showbiz/20080410/20080410_0002.shtml
李纓監督との一問一答 映画「靖国 YASUKUNI」
 李纓監督との一問一答は次の通り。

 ‐なぜ靖国神社をテーマに撮影したのか。
「日本で19年間生活し、歴史観の大きなギャップを感じた。靖国神社に象徴される日本人の戦争意識を知りたいと考え撮影を始めたが、中国人の立場を超えた作品にしたいと悩むうちに10年が過ぎてしまった」
 ‐政治的な意図は。
「政治宣伝をするならナレーションを使い、主張を強く語る。靖国問題は、いろいろな矛盾を抱えた未解決の社会問題。靖国神社をめぐる空気や精神的な空間を描くことで、背景にある歴史や意味を問い掛けたかった」
 ‐上映中止をどう思うか。
街宣車や右翼の問題は、今に始まったことではない。映画館も覚悟を決めていたはずなのに、なぜ中止が相次いだのか不思議だ。それより問題なのは、国
会議員向けの試写があり、それを見た国会議員が介入して出演者を変心させたことだ」
 ‐刀匠の刈谷直治さんに作品は見せたのか。
 「作品が完成した昨年春、刈谷さん夫妻に見せた。2人に納得していただき、各地の国際映画祭への出品の許可をもらった。今年2月に報告に行ったら『神社や刀匠会が怒っている』などと電話があり、奥さまが非常に不安がっているという話だったので、映画の解釈などをもう一度説明した。奥さまからは最後に『頑張って下さい。どこでも上映してください』という言葉をいただき、刈谷さんには映画へのメッセージをお願いして『誠心誠意』という言葉をもらった」
 ‐撮影中の関係は。
「ドキュメンタリーを撮る時に大切なのは人間関係だ。私と刈谷さんは、いろいろな段階でコミュニケーションをして映画を完成させた。その過程は、映画
の中にそのまま出ている。刈谷さんは非常に優しい、職人の魂を持っている方。奥さまは、刈谷さんの仕事場に入ったことがないこともあり、初めて見た時はショックを受けていた」
 ‐刈谷さんから直接、出演部分のカットを求められたらどうするか。
「もう一度努力して説得する。作品が成立するかどうかの問題で、上映中止以上に恐ろしい攻撃だ。政治的な圧力と闘い、表現者の権利を守らなければなら
ない」