余計なことをする大日本婦人会

今書いている原稿の取材中に見つけた小ネタを。

純綿大日章旗を寄贈
日婦鳥取県西伯郡渡村支部では国民学校国旗掲揚台建設を機会に、各戸から会員自作の綿を持寄り、会員の奉仕で紡ぎ、これを織って見事な純綿の大日章旗を染上げて、学校に寄贈した。(「日本婦人」、昭和18年7月号)

はっきりいって、労力の無駄遣いです。興味深いのは、昭和18年の段階でも、国民学校に「国旗掲揚台」がなかったこと。現在調査中。

防空用具を必ずお嫁入り道具に
日婦高崎市支部では、県民運動と日婦使命の達成を期するため、各方面から講師を招いて婦人推進講習会を開きましたが、座談会の席上「防空用モンペ、ずきん一式は必ず嫁入り道具として用意する」「汁の中へ入れるお野菜にまず食塩をふりかけて煮ると、味噌汁の味噌は半分で済む」「節米のため毎食を盛りきり一杯とし、一日一度は雑炊か代用食励行のこと」など、名論卓説百出し、これでこそ非常時日本を背負う日婦会員の集まりだと関係者を頼もしがらせました。(「日本婦人」、昭和一八年七月号)

はっきりいって、大きなお世話です。とりわけ「汁の中へ入れるお野菜にまず食塩をふりかけて煮ると、味噌汁の味噌は半分で済む」など、“非常時日本を背負う日婦会員”の問題意識のありかがよくわかります。つーか、客観的に見ればこんなオバサンの勝手なおしゃべり会が、実は関係者にとっては国民総動員の一つの到達点でもあったということは、銘記すべきことであろう。

少年飛行兵認識に入営
日婦埼玉県支部では、婦人の国防思想涵養と少年飛行兵の重要性認識の為、先に〇〇陸軍航空整備学校へ県生副支部長、川越市支部長外郡町村支部長百六十七名の一日入営を刊行、多大の効果を収め第二回は〇〇陸軍飛行学校へ会員百八十八名が同様入営した。(同、昭和一九年一〇月号)

はっきりいって、邪魔です。これだけ大量の戦前おばさん達が、どんな訓練を授けられたのか気になる……が、もはや資料はない。最近、痛車ならぬ「痛機」というものがあることを知った例はこちら)が、「婦人の国防思想涵養と少年飛行兵の重要性認識の為」の体験入隊が今後行われることになれば、いずれ「BL機」とか出てくるかも。