皇紀2597年の海の女王

『婦人画報』昭和12年7月号広告


盧溝橋事件が起こったのと同じ月に、こんな広告が出ていた。
非常時でも、戦争やってても、夏が来れば人は海に行く。海に行くなら、モードな水着で魅せたいわあというのが人情か。
戦時下でも国民は結構享楽的だった、娯楽がこんなにあった……というので驚く人が多いが、それは戦後教育の大きな欠陥(笑)。平時と有事の明確な境界線などない。

ところでこの水着、素材は人絹かなあ。裏地はどうなっていたのか判らないけれど、胸元のブカブカ感が、現代の水着にはない不思議な感じ。たぶん“見せどころ”が当時は別のところにあったのでありましょう。
で、胸元にあしらわれた逆五輪が気になる。やっぱり幻の東京オリンピック(1940年に開催予定)への便乗か。当時とえども五輪マーク使用は制限されていたから逆五輪になったのであろうか。このあたり、詳しい方のご指摘を待ちたい。