お父さんのすることではない

『写真週報』205号 昭和17年1月28日

政府の広報誌『写真週報』表2に毎号載っていた(1頁目に天皇の写真が来るときは表4などに移動していた)「時の立て札」という、説教系皇国ポエムのコーナーがあって、これがなかなかに香ばしいものがある。
今回紹介するコレは、開戦から約二ヵ月が経って、勝った勝ったと国中が浮かれているときに出されたもの。勝って兜の緒を締めよ、ということがいいたいのだろうが、

今すぐ自分達のものにしようなどとは、
お父さんのすることではない

――という“苦言”がかなり笑える。やっぱり当時の国民感情として、南洋の資源が手に入ったぞイヤッホウ、てな“お父さん”がいっぱいいたんだろうな、ということが垣間見える。