偉大なる奇人・山崎今朝弥翁を仰ぎ、我が身のいまだハナタレなることを知る

地震憲兵・火事・巡査』(岩波文庫)を今朝落掌、仕事そっちのけで読みふけってしまった。韜晦がかなりきついので一読しただけではわからないのだが、これほどまでに「文体」を武器として磨き上げ、奇文・奇行をもって天皇制権力と戦った人はほかにいるだろうか。

将校の判事斬り事件
所沢の飛行将校が判事を斬りたりとて人権問題を担ぎ出し、天下の一大事変として弁護士会の奮起を促す者あり、希わくは児戯を止めよ。それ軍人は敵を斃すを以て生く、その日々演習する処は殺人の稽古なり。習いは果して性となりブッチャーは至極残忍の者ならんには、軍人が判事を斬る位は朝飯前の仕事、敢えて今更驚くに及ばず。私はこれが、犬殺しが犬を殺した以上偶然に変事とは決して思わない。
(上掲書152頁)


春三月縊り残され花に舞ふ






地震・憲兵・火事・巡査 (岩波文庫)

地震・憲兵・火事・巡査 (岩波文庫)