日劇ショウ「ハイル・ヒトラー」

『国際写真新聞』昭和13年9月号より

東洋人がナチスの格好をすると、かくもみっともないのかということがよくわかる一枚。これも東西文化交流史の一場面なのであろうか。なんとゆーかペルシャのガラスの壺が正倉院にあった、みたいな印象をうけた……。

写真に写っているのは日劇ダンシングチームの人たち。写真に添えられたキャプションによれば、

「ハイル・ヒトラー
京都、名古屋、横浜の各チェーンの出張公園を終わって帰京した日劇ダンシング・チームが、ヒトラー・ユーゲントの来朝を歓迎して上演する日劇ショウで、作は三林亮太郎、演出は佐谷功、振付は益田隆、荻野幸久、オリガ・サファイア、花柳寿二郎の担当です。写真(上)は右から須田圭子、柴田早苗、銀暁美、長部千鶴子、小野美鳥(下)はダンシング・チームのガールス

――とある。ショウの詳細はまったく不明。一体、どんな踊りなのか激しく気になる。作者の三林亮太郎氏の全作品と関連資料が武蔵野美術大学に保管されているようなのだが、機会があればぜひ拝見したいものである。