【告知】まぼろしの「日本的家族」

PARC自由学校の連続講座のコーディネターをやっています。
現在、参加者募集中ですが、締め切り間近です。
講師陣が充実しているので、ぜひこの機会にどうぞ!


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まぼろしの「日本的家族」

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 どうも最近、政治家が勝手な「家族」モデルをおしつけてくると思いませんか?
 2012年4月に自民党が発表した「日本国憲法改正草案」では、家庭生活における個人の尊厳と両性の平等を謳う第24条の改悪が大きな軸として掲げられています。さらにこの改憲機運をすすめるために、2015年に結成された「美しい日本の憲法をつくる国民の会」もまた、「戦後の憲法によって、日本の伝統的家族は破壊された」と訴え、「国民の共同体としての国家」「共同体としての家族」、ひいては「家族国家」の理念を復活させ、憲法に盛り込むことを主張しています。彼らのいう「家族」の理想像は「サザエさん」一家であったり、「同じ屋根の下で家族みんなで食事をすること」などなどのようです。そうした日本の「伝統的家族」のすばらしさを取り戻し、家族を国家の基礎単位として位置づけるために、改憲が必要なのだと言うのです。しかし、そんな「家族」モデルを勝手に発明すんなよ!……と、思ってしまうわけですね。
 この講座では、安倍政権をはじめとする改憲潮流が想定する幻想的な「家族」像をさまざまな角度から検討し、どうしてそんなに「家族!」「家族!」と叫ぶのかについて、考えていきたいと思います。


●2017年6月〜11月
●原則として金曜日 19:00〜21:00
●全8回/定員30名
●受講料:28,000円


講師&コーディネーター:早川タダノリ(編集者)
国民統合の技術としての各種イデオロギーに関心を持ち、戦前・戦時の大衆雑誌や政府によるプロパガンダ類をはじめ、原発推進関連紙くず、現代の「日本スゴイ」本や保守系セクトの書籍・機関誌、コンビニ売りの恥ずかしいムックなどを蒐集。



6/2
おんなたちの「人生相談」
リアル「家」制度のすさまじさ
早川タダノリ(編集者)
戦前の旧民法下における「家」制度は、現代に生きる私たちにとっては遠い過去のものとなってしまったかのようですが、婦人雑誌の投書欄に残る当時の女性たちの人生相談を通じて、現在との違いと共通するものを読み解いていきます。


6/19(月)
「美しい日本」の「美しい家族」
右派の世界観のなかの「家族」
能川元一神戸学院大学ほか 非常勤講師)
憲法24条改憲論など「家族」に関わる右派の主張と運動が、彼らの世界観のなかでどのように他の主張、運動と結びついているのかを明らかにしたいと思います。


7/14
「官製婚活」と家族像
斉藤正美富山大学 非常勤講師)
国や自治体が「少子化対策」や「一億総活躍」という名目で「婚活支援」政策(「官製婚活」)を行なっています。その「官製婚活」が、我々を一定の家族像に誘導するとは…?


8/4
「女性活躍」と家族
配偶者特別控除〉から見えるもの
竹信三恵子(ジャーナリスト/和光大学 教授)
女性管理職がオフィスでキラキラ輝くイメージをふりまく「女性活躍」政策の裏にある、女性の二重負担の強化作戦を配偶者控除問題から読み解きます。


9/8
誘導される家族像
「親学」と「3世代同居税制」をつなぐもの
堀内京子朝日新聞社 記者)
憲法改正だけを気にしていて大丈夫?「親学」と「家庭教育支援法」、「3世代同居税制」と「夫婦控除」。4つのキーワードがどう関連しているのかお話ししたいと思います。


9/29
動員される母親たち
「家庭教育」の過去と現在
奥村典子聖徳大学児童学部児童学科 准教授)
戦時下に推し進められた母親の教化・組織化を目的とする家庭教育振興政策とは何であったのか。その特質を踏まえ、今日の「家庭教育」をめぐる施策の動向について考えます。


10/20
さまざまな「結婚」のかたち
法律婚・家族単一姓単国籍の枠組みを超えて
りむよんみ武蔵大学社会学社会学科 准教授)※2017年4月より
在日コリアンと日本人の結婚家族は、名前と国籍の選択をめぐる制度上の制約に直面します。こうした「結婚」のかたちを通じて、逆に、日本人同士の結婚制度の不自由さが見えてきます。


11/10
憲法24条改悪と「家族」のゆくえ
角田由紀子(弁護士)
憲法改正問題は、9条だけではありません。9条改正と切り離せないのが24条であり、13条です。「家族」という一見親しみのあるテーマですが、それゆえになぜそれが改正の重要なテーマになるのかを知る必要があります。「家族」は、私たちの個人としての生き方とどのように関係があるのか、きちんと考えてみたいですね。

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PARC自由学校は、世界と社会を知り、新たな価値観や活動を生み出すオルタナティブな学びの場です。1982年に開講して以降、アジア、アフリカ、中南米など世界の人びとの暮らしや社会運動を知るクラス、世界経済の実態や開発を考えるクラス、環境や暮らしのあり方を考えるクラスなど、毎年約20講座を開講しています。

私たちが生きている世界のこと、そしてその世界とつながっている日本社会のことを知りたい。より豊かな暮らし方や生き方のヒントが欲しい。自分らしさを表現するための技術を身につけたい。そんな人たちが出会い、学びあうのが自由学校です。

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