「世界秩序の構築に貢献する日本の決意」:産経新聞投書欄に見る〈臣民への道〉20150729

産経新聞2015年7月29日付


臣民からの「戦後70年談話」へのご提案だが、ここで言われている「世界秩序の構築に貢献する日本の決意」って何だ? をはじめ、「懸案の解決の糸口を見いだすことができるような未来志向の格調高いもの」などという不可解なフレーズが並ぶ。
臣民への道ご教訓としては、「臣民にとって〈未来志向〉とは「植民地支配と侵略」「心からのおわび」から解放されること」といったあたりか。



産経新聞2015年7月29日付

20世紀前半の帝国主義間争闘戦のところで戦争観のアップデートが止まるとこうなるという貴重な見本で、戦争法案の理解も事実誤認おかまいなし。臣民のご教訓としては「他国から侵略されたらどうする」一本槍で何でもかんでもぶった切る――ことを学ぶことができるだろう。
同じ日に掲載された(上に紹介している)76歳男性の投書が、「東亜新秩序」構築への夢をいまだ温存し帝国的グロ―バリズムを決して忘れていないにもかかわらず、こちらの67歳は「負け戦はみじめだ」→「国の平和は国民の手で守る」レベルに終始しているところが、やはり〈戦後〉を濃厚に感じるポイントではある。