お子様向け日本軍大活躍「過激描写」画像

話題の「はだしのゲン」、作中の「過激な描写」に「簡単に子供が閲覧できる状況にしてほしくなかった」という松江市教委福島律子前教育長の言葉をニュースで拝見しました。
著者の故中沢啓治さんが、表現上の工夫や配慮をこらして描こうとした内容にあえて触れずに、とにかく「過激な描写」だからと図書室の閉架に押しこめたわけですね。
「過激な描写」に弱い教育委員会のみなさまも、皇軍が大活躍するこんな絵本ならば、史実でなくてもまったくOKだったのではないでしょうか。



支那事変大手柄絵話』大日本雄弁会講談社、1938年


▼太田特務兵の大手柄


▼馬詰准尉の三十六人斬り


▼アッパレ徳安上等兵




『漢口攻略 皇軍奮戦画報』大日本雄弁会講談社、1939年


▼柳上等兵の五十二人斬り


▼村上上等兵の一番乗り


▼敵将と一騎打ち


▼トーチカをけむり攻め


▼長島部隊の大奮戦


……まだまだあるのですが、キリがありません。
つい70年ほど前の日本では、こうした皇軍の奮戦ぶりが「子供を良くする絵本」として、幼児・児童の情操教育に活用されていたのでした。
いわゆる《当時の価値観》ってやつから見たら、松江市教委を恫喝して「はだしのゲン」の対処を迫った自称「愛国者」のバカ者どものふるまいはどう見えるのか、興味津々ですね。

ともあれ、本当に「残酷な描写」ってやつは、こんな流血と殺戮の図なのではなく、「ヤサシイ日本ノ兵隊サン」と中国の子どもたちを描いたこのページではないかと、私は思います。