完全な防空服装と装具

完全な防空服装と装具指導=防空総司令部、防空総本部
▲防空服装を持たない人もあるまいが、その服装が不完全であつたら、どんな災害を受けるか、自分自身を、また家族の身辺をよくよく見直してください。


頭巾を厚くしないと……弾片や他の落下物で負傷する。頭の傷は致命傷だから最も危険。熱くて消火活動が充分できず、髪に火がつき易い。(北九州の空襲では頭部の負傷が一番多かった。)
手袋や手甲をしないと……せずにすむ怪我をする。露出は絶対禁物。
足拵えを厳重にしないと……家屋の倒壊や破片などで、骨折や打撲傷、踏抜きや踏込みなどの負傷をする。(北九州の爆撃でも下肢の負傷が非常に多かった。)
厚着をしないと……爆風で丸裸にされる。(軍人の服装でも裸にされることがある。)
装具は……肩から吊り下げるだけでは活動ができない。


これでこそ完全な防空活動ができる……男子も婦人もこの服装で猛火に突進。

引用元:『主婦之友』昭和19年9月号表四

「猛火に突進」って……。「防空服装」って、逃げるためのものじゃなかったんだ。空襲下で消火活動ができる、という“攻めの防空”ということだったのか。