「GHQの洗脳が解けた」に新鮮な驚き

WGIPの影響

例えば、「太平洋戦争」という言葉は、元々なかった。
元々は 「大東亜戦争」と呼んでいた。
GHQの占領政策によって 「大東亜戦争」は検閲により消去され
WGIPによって「太平洋戦争」に塗り替えられた。
今、私の手元に「太平洋戦争」という本があるが、まさしくこれは
戦後GHQの WGIP+検閲の成果であり、未だに出版業界が
GHQの指針を踏襲していう証拠である。
ちなみに「我が国」という言葉もGHQによって消された言葉です。
……(中略)……
現在になっても出版業界においてGHQの指針が守られているとは、呆れます。
そしてつい最近自分自信が情報操作から解放されることになりました。

ウホッという感じの書き出しだが、「太平洋戦争」を使うと、GHQに洗脳されたことになるらしい。こういうWGIPネタは、もう十数年前から高橋史朗がとりあげてきたが、2006年の段階で、こんなに新鮮に驚いている人がいることを知って驚いた。
「そしてつい最近自分自信が情報操作から解放されることになりました。」と書いているこのブログ主が「洗脳」されていたのは、アメリカは文化財保護のために京都を空爆しなかった――という都市伝説。すでに60年代のおわりくらいから当時の左翼のみなさんが暴露してきたことであったように記憶しているが、どうやら新しいコンテキストで読み替えられているらしい……というか、あまりにも不勉強だな。
この人たちが面白いのは、「洗脳」と「イデオロギー」もしくは「思想」との区別がついていないことですね。「大東亜戦争」もしくは「太平洋戦争」呼称の採用は明らかに一つの政治的思想的立場の表明にほかならないが、彼らにかかるとことごとく「洗脳」されているか否かという問題にされてしまう。つまり、自覚的に特定の思想的立場を選択するという行為をまったく想定していないのであります。
それまで無自覚に「太平洋戦争」と使っていたブログ主は、自分は「情報操作」されていた、だから何の疑問ももたなかったのだ――とでも言いたげですが、そこには自己反省を通じた思想的検証が欠落しています。だから、あたかもサーカスの空中ブランコのように「大東亜戦争」呼称へとやすやすとのりうつることができるのでしょう。