『少年アルプス兵』!


朝日新聞昭和17年1月2日付 クリックすれば拡大してみることができます。

この日の一面大見出しは「マニラの運命全く決す」。
気になるのは「ムッソリーニ賞」を受賞した『少年アルプス兵』(富士出版社)。そのほか、「少国民の空への興味を正しくみちびく」という『子供アジア号』、狂信的国体原理主義者亘理章三郎による『漢土の王道思想』あたりが面白そう。
で、外してはならないのが、大日本国家社会党をつくった石川準十郎の『ヒトラー「マイン・カンプ」研究』か。古本屋ではよく見かける。比較的安いので入手しやすい本ですな。この本を出した「国際日本協会」については詳細がよく分からない。



朝日新聞昭和17年1月3日付 クリックすれば拡大してみることができます。

この日の一面大見出しは「大詔奉戴日を設定 毎月八日」。年頭の初閣議で決定した模様です。
今日比較的まともな本が多いが、強いて上げれば、秦賢助『抗日女軍』(好文館)あたりか。「日本の古本屋」でか結構な高値がついています。
戦前の舩山信一の『論理と現実』が出ていたのには少しびっくり。



朝日新聞昭和17年1月4日付 クリックすれば拡大してみることができます。

この日の一面の見出しは「比島首都マニラ完全に占領」。戦果を伝える大きな記事に圧されて、書籍広告は2面に移動してます。
一番左に、末次信正(海軍大将)『世界戦と日本』とならんで、西尾センセイ大絶賛の杉本五郎大義』(平凡社)が出てますね。コピーには「軍神と仰がれる杉本五郎中佐の烈鬼神を哭かしむる大誠忠の書」とあります。モダン日本社から出ていた大森洪太『民族礼賛』『国土礼賛』もなんだか香ばしいものがありそうな予感がしますが、こんなツマラないタイトルで売れたのでしょうか?