北原白秋の翼賛詩集

北原白秋の『大東亜戦争 少国民詩集』(朝日新聞社昭和17年)を入手。
噂通り、ものすごい内容。本書のあとがきに拠れば、これは北原白秋の遺作になったそうだ。
白秋先生、やっちまったな……。

東亜の児童


少国民だ、少国民だ、僕たちは、
東亜の児童だ、手をつながう。
  大きな太陽、いま朝だ。
  見ろ見ろ、世紀のあを空だ。

少国民だ、少国民だ、僕たちは、
東亜の児童だ、手をつながう。
  緑だ、万里の大陸だ。
  太平洋なら黒潮だ。

少国民だ、少国民だ、僕たちは、
東亜の児童だ、手をつながう。
  誰でも来い来い、輪になつた。
  国々、島々、輪になつた。

少国民だ、少国民だ、僕たちは、
東亜の児童だ、手をつながう。
  日本児童が叫ぶんだ。
  東亜の子供よ集れだ。

少国民だ、少国民だ、僕たちは、
東亜の児童だ、手をつながう。

世界はよくなる、ほんとにだ、
見ろ見ろ、よくなる、ほんとにだ。