国家のために働け


『日本女性の光』昭和17年1月号 財団法人職業協会

国家のために働け


教育家 嘉悦孝子


私は十一歳の時、製糸所の女手として働いた無言の教訓が、今日までの人生にとても、大きな意義をもっています。昔から女手という仕事を自他共に卑下することは、とんでもないことです。女手こそ大きな国家的役割を果たしているのです。工場に働く方たちは、もっと自分を認識し誇りと自信を以てあたらねばなりません。現在一番いけないのは、遊んでいる人たちです。いやしくも生を国家に享けたなら、直接間接国家のために働かねばなりません。

嘉悦孝子は、現在の嘉悦大学創立者。少女のころに女工をやったのは本当らしいが、そこは自分の父親が経営する製糸所だった。

で、リンク先の嘉悦大学のサイトで紹介されている孝子の言葉は、奴隷道徳の最高の標本である。

誰にも耐えようとしても耐えられない怒りはあるものです。
しかし怒っては破滅を招くだけです。
耐えて、そして働くことです。
働くといっても就職することとは限りません。
主婦には主婦の、娘には娘としてなすべき務めがあるものと思います。
その務めを果たすことに励むことです。
社会人としての自分のまわりにも狭い家庭の中にでも、
なさなければならぬことが数多くあるはずです。
それらを手際よくより立派に処理することは頭の働きであります。
こうして自己の責務の遂行に没頭しているうちに、いつの間にか
怒りも忘れ業績を喜び豊かで清々しい充実感を味わうことができるのです。
このような生活の連続こそ幸せな生涯といえるのではないでしょうか。