女性擁護、貞操礼賛の大傑作! 『処女』!


醜悪な社会に清く生きんとする処女の受難物語
処女も妻も読め、又男子も読め!

『少女倶楽部』昭和4年1月号広告より

この広告につけられた梗概によれば

大学教授の栄職を抛(なげう)ち、一女優との恋に酔う父、病身の母、未亡人と不義の快楽に耽る兄――こうした家庭に育った本編の主人公桂葉子は如何に身を処したであろう。又二人の青年の執拗(しつこ)い誘惑に対し彼女は如何なる態度をとったであろう?

――というお話なのだそうだ。

それにしても、〈女性擁護、貞操礼賛〉という4文字スローガンが並んでいるのは、まことに統一協会なテイスト。
けれどもわざわざ「処女」を受難させながらも健気に操を守らせるという、男根的ドキドキストーリー。
しかもイラストはどうみても処女っぽくない妖艶風……要するにもうムンムンとオトコ臭が立ち上っているわけですわ。