『天皇信仰道』加藤一夫著
昭和18年12月刊
アナーキストから天皇信仰に転向した加藤一夫の珍本を入手。
「天皇さまが神であらせられる理由」など、かなり香ばしい本。
天皇さまが神であられる理由は、先づ第一に天皇さまと呉一体である 天照大御神が神であらせらるるからである。天照大御神が神であらせらるることは
一、日本の神話がこれを示してくれる。
二、日本人は歴史的にこれを、だんだんとわかって来た。
三、哲学的に、また、神学的に、即ち、理論的に証明される。
……見事な皇道屁理屈である。なかでも「三、哲学的に、また、神学的に、即ち、理論的に証明される。」というのが激しく気になる。読み進めてゆくと、次々にトンデモ証明の嵐が。
まず加藤は、天照大神が神であることの証明にとりかかる……のだが、何のことはない、えんえんと古事記を引用しているだけ。で最後に、こんな神代の昔から天照大神が神として崇められてきたのは、事実、神であったからに他ならない、と結論づける。えええええ?
その上で、いよいよ天皇が神であることの証明にとりかかるのである。
天皇さまが神でいらっしゃることは第一に、天孫降臨の御神勅にもあるように、天照大神さまが、そうおさざめになったからである。
そ、そんな〜。ちょっと安易すぎないかアンタ。